坊ちゃん

『親譲りの無鉄砲で、子供の時から損ばかりしている。

小学校に居る時分、学校の二階から飛び降りて
一週間程腰を抜かした事がある。』

かの有名な夏目漱石「坊ちゃん」の冒頭文です。

いつだったか・・・(中学かな？)

国語のテストで
「作品名とその作者を答えよ」
という形式で出題された事がありました。

当時、夏目漱石については
「吾輩は猫である」と「道程」以外ノーマークだった私。

四角四面な硬い文章に覚えがあったので、
作者は漱石と解ったものの・・・作品名が解らない。

漱石の作品で「二階から飛び降りる」という行為をする
主人公を掲げていそうな作品名・・・・

「坊ちゃん」か「三四郎」？？

しかし坊ちゃんは坊ちゃんに違いないから、
こんな無鉄砲はしないだろうと

「三四郎」と書きました。
(単純に・・別の(姿)三四郎さんのイメージでした。)

・・・惜しかった。
純粋だった、私。

今ならきっと

「・・・と思わせといて、
『えぇ？タイトルは坊ちゃんなのに、こんな出だし？！』
ってギャップで惹きつけるつもりでしょ～？」

って、裏を書いて「坊ちゃん」って書いてたよ。

汚れっちまった悲しみに・・・・・

って、これは中原中也。

でだ、漱石の『坊ちゃん』は
行動的で快活で熱血漢な人だったが、



我が家の
坊ちゃんはと言うと・・・










親泣かせの胃と気の弱さで
子供の時から下痢ばかりしている。







家族になったその年の、
夏の初めに下痢で治療を受けるも、
1週間程止まらず担当獣医を唸らせた事がある。
(フードを変えたら嘘の様に止まりました。
それから毎年恒例の下痢による
フードジプシーです。)


付いたあだ名が
「ジョバンニ・キョジャッキー」。



何かにつけすぐに裏返る気弱さも、
出会いから一切変わってません。







そんな、
我が家の坊ちゃん1号。







その後我が家に
加わった坊ちゃん2号は、
意外と漱石の『坊ちゃん』に
近いかもしれない。







親譲りなのか無鉄砲で、
子供の時から怪我ばかりしている。









先日は玩具を夢中で引っ張り過ぎて
前歯茎から出血し
チィ姉ちゃんをドン引きさせた。





なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかもしれぬ。
別段深い理由でもない。




お気に入りの玩具を渡したら、
チィ姉ちゃんが受け取って離さないので、








いくら引っ張っても
玩具を取り返す事が出来ず、
リンのでしょー！と
勝手に盛り上がったからである。







チィ姉ちゃんに抱えられて連れてこられた時、
血みどろの玩具と前歯と舌で、
歯が折れたかと思ったが、

特に怪しい歯も傷も無いので床に下ろしたら、
その玩具を投げろとせがまれた。




・・・・・・・普通で良いんだけどな。

そんな両極端じゃなくて・・普通が・・・

（そんな坊ちゃん達に挟まれて、
右往左往する抱腹絶倒の毎日です。）