苹果

あぁぼくいま
お母(っか)さんの夢をみていたよ。










お母さんがね、
立派な戸棚や本のあるところにいてね、
僕の方を見て手をだして
にこにこにこにこわらったよ。



ぼく、




おっかさん。
りんごをひろってきてあげましょうか、




と言ったら眼がさめちゃった。

ああここ、さっきの汽車のなかだねえ。

(宮澤賢治著「銀河鉄道の夜」より抜粋)

冒頭から、宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」で始まりました
本日の「尻尾振り振れ・・」ですが、
今日は多分「銀河鉄道の夜」を読んだことの無い人には、
意味解んない言い回しがあるかも・・・。

読んだ人には、まぁ・・
「賢治はやっぱ良いよね～。」以外に何も言う事は無い。

でだ、



母が
頂き物の林檎の
お裾分けをくれました。




大きな林檎。
フジだってさ。

チィ姉ちゃんが林檎を
冷蔵庫から取り出しただけで、
甘酸っぱい香りが漂います。



今すぐ食べる気満々で
動きすぎで写真が溶けちゃった
我が家のジョバンニ。




どうやら、
名前の由来である「銀河鉄道の夜」の主人公
ジョバンニ少年の様に、苹果を大事に
ポケットにしまう気はサラサラ無い様です。


チィ姉ちゃんが林檎の皮を剥き始めると
さらに強い林檎の香りが漂い始めたので・・

「苹果だ。苹果の匂いがする。」
(アニメ映画「銀河鉄道の夜」に出てくるセリフです。)
と言ったら、


「さあ、向こうの坊ちゃんがた。いかがですか。おとりください。」
(これも「銀河鉄道の夜」に出てくるセリフです。)

とサラリ返された。

できるな・・・妹よ。

でも実は林檎はあんまり好きじゃない。
いや、嫌いじゃないけどちょっと鬱になる。

幼少の頃、
うちの母の実家が青森という事もあって、
冬には家に必ず大量の林檎があった。



毎食後、母が
「林檎を剥いてあげようか？」と聞くので、
「お腹いっぱいだから要らない。」って答えるのに、
事前の質疑応答は全く意味無く剥いてきて、
食え食え勧められる日々を過ごした。



学校行事でお弁当を持っていく用事があると、
母は冗談なのかと思うようなデカイおにぎりを２つ、
アルミホイルに包んでくれた。


それだけでも食べきれないのに、
必ずくっ付いてくるもう1つのホイルの包みには、
皮を剥かれて茶色く変色した林檎が入ってて、
持って帰るのも申し訳ないので、
頑張って食べるのだが、
大概苦しくて気持ち悪くなるのだ。



（うちの母は剥いた林檎をレモン汁につけたり、
塩水につけるなどの細かい気配りはしない人で、
当時の幼かった私は
「何故余所の家の林檎は色が白くウサギなのだろう？」
と羨ましかった。）

そんな訳で、林檎＝母のイメージではあるが、
決して母の良い思いでにはリンクしてないので、
林檎は嫌いではないが、
見ただけでゲンナリお腹一杯な気分になる。

これはうちの姉妹には共通の認識で、
我が家での林檎は
「食べはするけど沢山は要らない」
代表のような果物だ。
(自分達じゃ好んで買わないから滅多に家に無い。)

が、ドギーズはそんな事はもちろん関係ない。



ジョバンニー・・・
待てー・・・







まぁお取りください！

ジョバンニ
「ヤッホィ！林檎ー♪」





リンクスさん。








いや、まぁおとりください！

リンクス
「林檎、ウマー♪」



とまぁ、そんな感じで・・・



彼等はそれはもう喜んで、









目先の「一番の幸い」を
満喫しました。




私等姉妹は・・・・

1人当たり１/２個くらいは食べましたよ。
・・・たぶんね。

（空腹だったけど全然食べられないという林檎マジック。
林檎ダイエットで激痩せも夢じゃねぇな。）



そして、
既に散々食べたのに、
チィ姉ちゃんの林檎に向けて
念を送るジョバンニ。





チィ姉ちゃんが気付いた瞬間に
すかさず土下座。

ジョバンニ
「林檎を下さい！！」




思わず笑っちゃったチィ姉ちゃんから
まんまと林檎をせしめたジョバンニ。

・・・・やりおるのぉ。