早春

そろそろ・・・
美容院行きたくない？

ジョバンニ
「美容院とは・・・」




ジョバンニ
「若くて優しい
お姉さん達が居るお風呂の事か？」

・・・・多分、それだろう。

ジョバンニ
「なら行ってやっても良いぞ。」



近頃サロンに慣れてきたジョバンニ、
そしたらたちまちトリマーさん達に色目を使い出した。

それは良いけど・・・
好みじゃないタイプの人が担当についても、
あからさまにガッカリするのは止めて欲しい。


リンは・・・

リンクス
「行かない。」

え？



リンクス
「前回、
女子色のリボンを付けられた屈辱、
僕は忘れない。」

あぁ・・あったねそんなの。


今回はきっと大丈夫だよ。

今まで何回も行ってるけど、
女の子色のリボンはあの一回だけだったし。
(本当は夏のお花も女の子色だった気がするけど・・。)

トリマーのお姉さん達、リンが来るの待ってるよ？
(予約してるからね。)

可愛い可愛いって言ってくれるよ？
(トリミングという任務遂行のためにね。)

それに・・・お風呂入ってフワフワになったら、
チィ姉ちゃんにもモテモテだよ、たぶん。


リンクス
「本当に？」

うん、たぶん。




リンクス
「じゃあ・・行こうかな。」

そんな感じで、
今年最初のトリミングに出かけたドギーズ。

そして夕方迎えに行ってみれば・・・


リンクス
「ほらぁ～・・・」

ジョバンニ
「気にするな、
すぐに取れる。」



え？何？色は普通っていうか、
今回むしろジョバンニが女子色？？


ジョバンニ
「春を意識して
レース仕立てにしてみました。」

あー・・・・・・・




リンクス
「もう、ヤダ。」

ジョバンニ
「ほら、写真撮ってるから
笑って、笑って。」


リンクス
「チィ姉ちゃんは？」

出かけてて・・まだ帰ってない。

ジョバンニ
「笑って、笑って。」



リンクス
「ご飯は？」

え？いや、まだちょっと早いね。

ジョバンニ
「笑って・・・」


ジョバンニ
「あー、疲れた。
もう撮れたべ？」

・・・・えぇ。



ジョバリン
「ガムちょうだい。」

・・・・・・はい。



←この度のベストショット。

オヤツ目当てで満面の笑みの兄と、
何一つ満たされず非常に不満な弟の、
希望と絶望のコラボレーションです。